フィリピンのFIT制度について
皆さんこんにちは、日本国内やフィリピンで太陽光発電設備の設置・メンテナンスを行っている株式会社サステナです。
本日はフィリピンのFIT制度について触れていきたいと思います。
フィリピンのFIT制度についてお伝えした後は、特に投資家の方々向けにフィリピンの太陽光発電システムでどのように収益を上げるべきかについて触れていきたいと思います。
そもそもFIT制度とは?
さて、皆様はそもそもFIT制度という制度が何かをご存知でしょうか?
FITというのはFeed-in Tariffの略で、再生可能エネルギーで発電された電力を一定期間固定で買い取ってもらうことが出来る制度です。
需要バランスにより変動しやすい電力の売価を一定に保つことで、太陽光発電システム導入後の価格変動リスクを減らすことが出来ます。
日本で太陽光発電システムの普及が進んだ理由の一つにFIT制度があり、2012年にFIT制度が取り入れられてから急激に太陽光発電システムの導入が進んでいきました。
太陽光発電システムへの投資を行ってきた方でも、このFIT制度を上手く活用されてきた方が多いのではないでしょうか?
このように、急速に太陽光発電システムの導入を推し進めていくことが出来るFIT制度ですが、今回の記事ではフィリピンのFIT制度に関わる状況をお伝えしていきます。
フィリピンにFIT制度はあるのか?
そこでまず疑問に思うのが「そもそもフィリピンにFIT制度はあるのか?」という点だと思います。
結論から申し上げますと、フィリピンにもFIT制度はありますが、上手く機能していないのが現状です。
理由は様々ありますが、エネルギー長官であるAlfonso G. Cusi氏の声明では下記のように述べられています。
we have stopped the Feed in Tariff or FIT which proved to be a big mistake as it forced electricity prices in the country upwards. We cannot have our consumers shoulder the financial burden of such subsidies any longer.
参考:https://mb.com.ph/2021/05/15/no-more-feed-in-tariff/
つまり「FIT制度を取り入れる際の補助金等で電気代が増加してしまった。今後この経済負担を電力消費者に負わせることはできない。」と述べています。
一方で、再生可能エネルギーの推進を諦めたのかというと、そういうわけではありません。
上記で触れたAlfonso G. Cusi氏はその後も下記のような声明を出しています。
…that primarily calls for accelerated investments on renewable energy (RE), other clean energy sources as well as enforcement of innovations in technology deployments in projects.
参考:https://mb.com.ph/2022/05/13/cusi-prepares-work-plan-for-doe-successor/
つまり「今後も再生可能エネルギーへの投資や技術展開によるイノベーションを進めていく」と述べています。
これらの声明から読み取れるのは、今後このFIT制度が拡大することはありませんが、何かしらの方法を取りながら再生可能エネルギーの普及は進めていくということです。
FIT制度に依存しない太陽光発電投資
ここまでお伝えしてきた通り、フィリピンでもFIT制度はあるものの、今後の拡大は見込めません。
このような中で、弊社のお客様はどのようにFITに依存せず、フィリピンへの太陽光設置で収益を得ることが出来ているのかをご紹介します。
弊社のお客様先では、ズバリ既存建屋の屋根上への太陽光設置により収益を獲得しています。
収益を得るまでのフローは下記の通りです。
- まず、建屋を持っている電力需要家(商業施設や工場等)を探し、屋根を借ります。
- 投資家の出資により、その屋根に対して太陽光発電システムを設置します。
- 屋根を貸し出している需要家と屋根を借りて太陽光発電システムを設置した投資家で契約をし、屋根上に設置した太陽光発電システムで発電した電力の売買を行います。
- 需要家と直接的かつ長期的に契約をすることで投資回収を行います。
この時は特に、投資先の屋根をしっかりと選定し、また、投資をする際の発電シミュレーション等も必ず行うことが必要です。
日本でも一部屋根貸しによる太陽光発電システムの導入は進み始めていますが、フィリピンでは制度的にもこの方法がとても良くマッチした方法だと考えられます。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
フィリピンのFIT制度に触れた後、投資家の方向けにフィリピンへの太陽光発電システム投資の切り口でお話をさせていただきました。
株式会社サステナでは、フィリピンで屋根を貸し出したいと考えている需要家の方のネットワークづくりも行っておりますので、もしご興味のある方がおりましたらお気軽にお声掛けくださいませ。
フィリピンで太陽光発電システム設置事業を請け負う建設会社の方や、投資先として太陽光発電事業を検討している方は是非サステナにご相談ください。
サステナではフィリピンに進出している事業者の方や投資家の方向けに、定期的にフィリピンの電力事情や太陽光発電設備への投資メリットについてお伝えしています。